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漢方薬で使われる薬木を紹介

2022年06月06日

鍼灸師の井田です。今回は漢方薬で使われる薬木について紹介します。
薬木は季節ごとに分けられていて、今回は春〜夏にかけての薬木になります。


サンシュユ


サンシュユには様々な呼び名があります。
春先に葉が出る前に黄色い花を咲かせることから、別名ハルコガネバナと呼ばれ、
秋にグミに似た赤い実をつけるので、アキサンゴ、サンゴバナと呼ばれています。

熟成した、サンシュユの果肉から種子を取り除き乾燥したものを漢方薬の材料として使います。

漢方では、「腎」に働く生薬として使われます。漢方でいう「腎」は、腎臓・膀胱の泌尿器に副腎、生殖器を全て含むもので、
排尿異常を伴う糖尿病、神経痛、むくみ、疲労倦怠感に使われる漢方薬として有名なとしての八味地黄丸(はちみじおうがん)六味丸(ろくみがん)などに配合されています。

またサンシュユの果実を、焼酎に漬けた果実酒は、
疲労回復、滋養強壮、冷え症、低血圧症、不眠症などによく効き、赤く熟した果実をジャムにしても美味しく食べることもできます。


杏子(あんず)

みなさんが聞き慣れた果物ですが、実は杏子は薬木としての面を持ちます。
漢方では種子を杏仁(キョウニン)と呼び、この種子をかぜや、のどの痛み、痰といった症状に使われる神秘湯(しんぴとう)に配合されて使われます。さらに滋潤作用があるため、潤腸湯(ちょうかんとう)で便秘改善にも使われます。


コブシ


コブシは毛に覆われた堅い蕾が特徴となる薬木です。
コブシの名前の由来は果実の形が拳(こぶし)に似ているところから付けられました。

毛におおわれた蕾を辛夷(シンイ)と呼び、
漢方薬の他に、
鎮静、鎮痛薬として、頭痛、頭重感などにこの蕾が用いられています。漢方薬の辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や葛根湯(かっこんとう)に配合され、鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎を治療で服用します。
また、樹皮は煎じてお茶の代わりや風邪薬として飲まれています。


アケビ

アケビは4〜5月頃に淡紫色の花を咲かせます。
茎を輪切りしたものを木通(もくつう)または通草(つうそう)と呼び、これを漢方薬の材料として使います。
五淋散(ごりんさん)や竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)といった、尿路疾患に治療効果を持つ漢方薬に含まれます。
また、アケビの蔓は強靭であることから、バスケットやイスの材料として利用され、アケビ細工と呼ばれています。


レンギョウ

レンギョウ黄色い四弁花が特徴の薬木です。
レンギョウは渡来種と日本原産のものがあり、
渡来種は3月頃、日本原産のものは4〜5月に花を咲かせるという違いがあります。
漢方薬にはレンギョウの果実を使い、解熱、消炎、利尿、排膿などの治療効果を持つ、響声破笛丸(きょうせいはてきまる)清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などに配合されています。


以上になります。今後、他の季節の薬木も紹介していきますので、そちらもよろしくお願いします。

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